実家の土地建物等の不動産を手放したい。
このような相談を多く受けます。
しかしながら,簡単に実現できるケースはそう多くありません。
なぜなら,相続放棄は,全ての財産を放棄する手続で,特定の財産のみを放棄することができないからです。
このような問題を解消するために2023年4月から相続した土地を国に帰属させる「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。
ただし,この制度を利用するには審査があり,全ての土地が対象になる訳ではありません。また,費用もかかります。
詳しくは,「負動産の窓口」をご参照下さい。
私も協力専門家に登録されています。
上記制度を利用することが難しい場合は,いらない土地以外の財産を生前贈与or信託し,相続が発生した後に相続放棄するという方法も考えられます。ただし,この方法を採る際は,様々な法律上・税務上の問題をクリアしなければならないので,専門家に相談されることをおすすめします。
また,売れないと思っていた不動産も,専門家のネットワークを利用して売却できたケースもあります。
結論として,いらない不動産を手放すことが難しいケースもありますが,不動産を「負動産」にしたままにしない方法を一度検討してみるのも良いと思います。