コンロの油汚れへの対処,衣服に汚れがついている時の応急処置,限られた時間で栄養を確保した食事作り,などなど私には,「こういう時にこう動く!」という時短かつ身の回りにあるもので対処できる家事の工夫があります。その工夫をどこで獲得したか・・・答えは全て「ヘルパーさんからの教え」です。
高齢や障害を理由として,自宅で生活を送る方が,その日常に援助が必要になった時,自宅に居ながら身体面の介護や家事のサポートを受けられる公的支援があります。(介護保険では「訪問介護」,障害福祉サービスでは「居宅介護」と呼びます。)
そして,その支援を提供する人のことを「ヘルパー」と呼びます。「ヘルパー」は介護職員初任研修や実務者研修の修了者,介護福祉士がその業務を担っています。(うち,介護福祉士のみ国家資格。)利用者の居宅を訪問して必要な介護を提供する,限られた支援時間の中で,いかに効率よく,利用者に必要な介護・介助を提供するかを極めているので,先述したようなノウハウをたくさん知っているのです。
家事や排泄は毎日のこと,その毎日を支援するヘルパーはまた,介護技術はもちろん,利用者の変化をキャッチする重要な役割を担っています。毎日を知っているからこそ気づける変化です。ヘルパーが気づく変化は大きな変化の予兆を知らせてくれたり,新たな支援を協議する貴重な情報となります。
限られた時間の中で効率的かつ利用者にとって安全な介護・介助の提供,日常の様子観察と変化のキャッチ。ヘルパーの専門性を日々感じます。
社会福祉士・精神保健福祉士 小堺 有希